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パスがサッカーの試合で上手く使えるようになるコツ10選

なぜかいつもパスカットされて、味方にパスが通らない。

そんな悩みは、足でボールを扱うサッカーに付きものです。当たり前ですが、手よりも足のほうが不確実性は増します。何より相手がいる状況ではパスの成功率はグンっと下がってしまうことが多いのではないのでしょうか?

練習で友達と2人で対面パスをするときは上手くいくのに、試合ではパスの成功率が低くなってしまう。

この問題を解決するには、パスをするときの戦術的意図を考える必要があるのです。
合わせて学ぼう【戦術的意図について】

今回の記事では、サッカーにおけるパスのテクニックを試合で上手く使うコツを大公開します。


パスがサッカーの試合で使えるようになるコツ


①相手のラインを超えるパスを意識する。

スペインには「守備の壁」(守備のライン)という概念があります。


【問題】サッカーには3つ、もしくは4つの守備ラインが存在しています。例えば、下の図の①のパスと②のパスではどちらが有効なパスになるでしょうか?



この状況では、黄色チームが1-4-4-2のシステムで「守備ライン」が3ラインとなります。
①のパスでは中盤のラインを超えられず状況は変わりません。つまり相手の守備ブロックは下がりません。なぜなら黄色チームのウイングの選手が前を向いてボール保持者に対してプレッシャーをかけられるからです。
下記の図は、2つ目の中盤ラインの4人全員が前を向いて守備できていることが分かります。


②のパスは中盤のラインを超えたことによって、相手チーム全体を後退させることに繋がります。ラインを超えるバスは、ただのパス回しになることを防ぎ、ボールを前進していくための重要なキーファクターです。


【合わせて練習してみよう!パスの精度を高める技術トレーニング


②長いパスと短いパスを使い分ける。

ロングパスとショートパスの使い分けは、特にサイドチェンジ/相手ディフェンスライン背後へのロングパスで使われます。

【サイドチェンジ】サイドでのショートパスは、相手をボール方向にスライドさせて引きつけ、逆サイドを使うために使います。イニエスタが得意とするプレーで、「遊び玉」とも呼ばれます。


【相手ディフェンスライン背後へのロングパス】ショートパスによって相手チームのライン全体を意図的に上げさせます。そうすれば背後のスペースが生まれるので、そのスペースにロングボールを送ることができます。

ショートパスとロングパスはチームのプレーモデル・チーム戦術も考慮して、試合で使い分ける必要があるでしょう。


③浮かしたボールとゴロパスを使い分ける。

浮いているボールは受け手がトラップしにくいので、基本的にはゴロパスを使用します。相手の足が引っかかりそうな時に少しだけ浮かしたり、相手ゴール前のスペースのない状況では、浮き玉のパスが有効となります。しかし、基本は「ゴロパス」です。


④味方が次のアクションに入りやすいボールを送る。

【問題】以下の図の状況では、①と②どちらのパスが有効でしょうか?

正解は②です。

①のパスだとサイドバックの前のスペースを上手く使えていません。さらに、サイドバックが上がって来ている状況ですので、後方に出してしまうとパスミスの可能性も大きくなります。よくあるのは前方のスペースに強く蹴りすぎてしまうパターンです。これは、パスをスペースに出そうとするから起こるミスです。

パスには「足元へのパス」しかありません。「スペースへのパス」の意識が、パスミスが起きる原因なのです。

走っている選手へは、前方へ受け手の足元に「点で合わせる」意識でパスを出しましょう。


⑤ショート・ミドルパスでは、パスのオプションをコントロールするために、視線を下げない。

※出典 YOUTUBE 【Super Star】アンドレス・イニエスタ アシスト集 FOOTBALL PARK

イニエスタのアシスト動画を見ていただけれ分かると思います。イニエスタは、ボールへ視線を落とさずに受け手の状況だけを確認しながら、ショート・ミドルパスを出しています。「ボール→味方→ボール」と、キックの際にボールに視線を落としていては、ボールを見ている間にプレーの状況が変わってしまいます。

よくパスカットをされるチーム・選手は、ボールを見てパスをしている可能性があります。一度、ビデオを見てチェックしてみるのも良いでしょう。


⑥地面を這うようなパスを心がける。(パスの質)

芝のグランドであれば「芝を切る・滑る」ようなパス土のグランドであれば「砂ぼこりが立つ」ようなパスの質のことです。バウンドした質の低いパスは、チーム全体のプレーリズムを落とすことになりますので気をつけましょう。


⑦1つのポジションを飛ばしたパスを優先する。

隣のポジションの選手にパスを出すのは決して悪いことではありません。しかし、1つ遠くのポジションの選手が空いている場合は、その選手へのパスを優先しましょう。その方が、相手を大きく動かすことができますので、スペースが生まれやすくなります。


⑧パスに情報を込める。

日本最高峰のMFである中村憲剛選手の記事を参考にしてください。

背後から敵がきている場合、「どちらの足に、どのくらいの強さで出すか」でパスにメッセージを込めることが出来ます。

※出典 サカイク 中村憲剛のパスは味方へのメッセージ。いつも「強くて速いパス」が正解ではない 


⑨受け手の状況を確認する。

パスを出す際に見なければいけないのは、受け手のサポートの質です。受け手がボール方向に敵を背負って真っ直ぐ降りてくるサポートをしている場合、大抵の場合ボールを失うことに繋がります。(図のパス②)

ボールに対して斜めのポジションを取りながら、さらに「おへそ」を相手ゴール方向へ向けたサポートが、質の高いサポートです。受け手の状況も考えて、効果的なパスを優先させましょう。(図のパス①)


⑩ボールを出した後にすぐにサポートに入る。

パスは出して終わりではありません。よく自分の出したボールの行方を見て、足が止まっている選手がいます。それでは、次の一歩が遅れて効果的なサポートができません。パスを出したら次のアクションへすぐに移るようにしましょう。


まとめ

今回ご紹介した10個のコツを、プレー状況に合わせてトレーニングすることで試合の中で使えるパスの技術に変わってきます。もちろんパスの精度を上げるための反復トレーニングも必要ですが、グローバルトレーニング・システミックトレーニングのメソッドも交えてトレーニングすることをお勧めします。

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スーペルクラック編集部

スーペルクラック編集部

スペイン・バルセロナを拠点に活動。「本物のスペインサッカーをありのままに生き生きと伝えたい」そんな想いで日々コンテンツを更新する。ライター、サッカー監督、プレーヤー等、多岐にわたるスペイン在住邦人が執筆・編集。深くサッカーを学びたいあなたへ。

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