スペイン育成現場の常識!シュートがうまくなる8つの秘訣
全然シュートが入らない!!!
いつも相手にマークされていて、シュートが打てない・・・。
シュートを打つところまで行くけれど、ボールはゴールの上にとんでいく。
トラップからシュートまでが遅くて、シュートする前に取られてしまう。
ミドルシュートが弱くて・・・キーパーにかんたんにキャッチされる。
シュートが入らなくて悩んでいるが、いつも同じシュート練習になってしまう。
シュート精度を上げることは、サッカープレーヤー・指導者の永遠の悩みですよね。
そんな悩みを解決してくれるのが、スペインの育成年代で当たり前のように教えられている『インステップキックの基本』と『シュートのトレーニング方法』です!
この2つをしっかり学べば、選手も指導者も理想のシュートに近づくことができます。
今回は、シュートを成功させる8つの秘訣をシュート前・シュート中・シュート後の場面に分けて説明します。最後に、プレー状況を設定した中で行うシュートトレーニングメニューをご紹介します。
【試合で使えるシュートにするため8つの秘訣】
1. 抑えたシュートを心がける(シュート中)
スペインのインステップキックは、日本のインステップキックよりも狭い範囲を指します。
スペイン語で(Empeineエンペイネ)と呼ばれるインステップの面は、足の甲の一番骨が出ている場所です。
ボールを捉える足の範囲をエンペイネに意識してシュート練習するだけで、抑えたシュートを打つことができます。
2. ゴール方向に体の向きを作る(シュート前)
シュートを打つ技術もそうですが、シュートを打つ前の段階で勝負が決まっていることもあります。
図①の選手はゴールに背を向けてボールを受けています。これでは、シュートまでの流れがイメージできていません。
図②のようにパスを受ける前に、マークを外して、体の向きを作ります。
スペースのないゴール前のシーンでは、1、2メートルのスペースを生み出すことが勝負です。
スペースを作ったあとは、必ず相手ゴールに「おへそ」を向けることを意識しましょう!
3. できる限り時間をかけずシュートする(シュート前)
トラップからシュートまでの流れを体に覚えさせることで、ディフェンダーにカットされる確率は下がります。
様々な状況でのトラップからのシュートをトレーニングしましょう。また重要なのは足の振りのスピードを意識することであり、強く打つことではありません。間違った意識でトレーニングしないことが大切になります。
4. スペースと時間がある場合は、必ずゴールとキーパーを見る(シュート中)
以下の図の状況は、FWが完全にディフェンスの裏に抜け出してキーパーと1vs1になっています。
1vs1以外も含めてスペースと時間に余裕があるときはキーパーの位置を見てシュートコースを決めます。
5. 時間とスペースがない場合は、ゴールは見ない。シュート練習で覚えた感覚で!(シュート中)
逆に、以下の図の状況ではスペースと時間がほどんどないことがわかります。
ゴールへの体の向きも悪く、裏へ抜け出したもののディフェンスにすぐ追いつかれる距離です。
ここでゴールを見る余裕はありません。
ニアポスト、ファーポスト、GKの股下など、様々な状況に応じて自分の得意なコースを知っている!つまり、練習でたくさんのシュート状況を経験しているかが鍵です。
6. センターリングに対してはワンタッチシュートを意識する。(シュート中)
現代サッカーのおよそ60%以上がワンタッチシュートでのゴールです。特にセンターリングに対してはワンタッチシュートを心がけることでゴール確率のアップに繋がります。
7. ボールの軌道を予測し、先にボールに触る。(シュート中)
センターリングに合わせるボレーシュート、ワンタッチシュートはボールの軌道を予測しなければなりません。まずはボールの軌道を読み、相手よりも先にボールを触ることを試してみましょう!
8. シュートをした後、アクションに継続性を与える。(シュート後)
これは、シュートを打ったあとのアクションになります。しかし、こぼれ玉に詰める意識が薄いことで、「あそこで詰めていれば・・・」なんてことはよくあります。普段の練習から、シュートを打った後、こぼれ球に詰める意識付けをすることが大切ですね。
【まとめ】
さらに、シュートがうまくなるコツは、「シュートの成功する8つポイントを、様々なプレー状況に分けてトレーニングすること」です。
これからのポイントを全て同時にトレーニングすると効果は薄まるので気をつけましょう。
シュート練習の際に大切なことは・・・
①1回のシュート練習で1つのポイントをしっかり意識すること。
②トレーニングでは試合で起こりうる様々な状況を設定して、体に染み込ませることです。
【練習メニュー1】
図の「当てて落としてシュート」ばかりでは、ゴール正面のミドルシュートしかうまくなりません。
【練習メニュー2】
このように同じシュート練習でも、以下のように様々な状況を設定することで、ゲームでその場面がフラッシュバックされることがあります。(体に染み付いている)
《秘訣1》 抑えたシュート(エンペイネ)
状況→ウイングがFWと壁パスのあとに、ペナルティーエリア斜め45度からシュート
※赤の三角形はマーカー(敵の4バックを意識して配置する、3バックの配置でも良い→重要なのは選手たちがDFとDFの間のギャップを意識してシュートの前のアクションを行っているかどうか)
《秘訣2》 体の向きを作る
状況→FWがDFを外し、体の向きを作って、すばやくシュート
《秘訣4》 キーパーを見てシュート
状況→ウイングが裏へ飛び出してシュート
《秘訣5》 ゴールを見ずにシュート
状況→FWが流れてシュート
最後に、天性のゴールゲッターであるFCバルセロナのスアレスのゴールシーンを8つの秘訣を意識しながら見てみてください。新たな発見があるかもしれません♫→動画はコチラ