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サッカーの試合で使えるテクニックが、グッ!と伸びる仕組みを考える

サッカーにおけるボールと自分との関係は技術アクション呼ばれています。パス、トラップ、ドリブル、ヘディングといったアクションのことです。その技術アクションを向上させるためにどんなトレーニングを行っていますか?

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今流行りのラダーやマーカーを使ったスピードトレーニングやコーディネーショントレーニングだけでは、もちろん体は上手く動かせるようになりますが、ボール扱いが全くできなくては意味がありません。

かといって、リフティングやコーンドリブルばかりしていても、体の使い方がわかっていなければ上手くボールを扱い切れない場合もあります。

では、体の使い方とボールの扱いが上手ければ十分でしょうか?それも違います。すべての技術アクションには戦術的な意図が含まれているからです。これを理解していなければサッカーの試合で使える技術にはなりません。

本記事では運動能力の区別にフォーカスしながら、戦術的意図とは何かについて考えていきます。

目次

①基礎運動能力


 1. 基礎運動能力とは?

 2. 基礎運動能力の種類

②特化運動能力


 1. 特化運動能力とは?

 2. 特化運動能力の種類

③サッカーにおける特化運動能力

④技術アクション*テクニックの戦術的意図


 1. テクニックの定義

 2. 戦術的意図とは?

 3. 基礎運動能力・特化運動能力  

        サッカーにおける特化運動能力・戦術的意図4つの関係性


①基礎運動能力

①-1. 基礎運動能力とは?

人間の基本的な動き。他の動きを実行するための基本的運動機能。生来持っているもの。つまり、「歩く」「走る」「ジャンプ」「止まる」などの運動能力です。運動機能の基礎構造に関わるすべての動きになります。各スポーツに特化した動きに移る前の段階で、基礎運動能力を高めると、次の段階でスムーズな動きの発展につながります。

この能力を効率的に発展させる年代は、6〜12歳。特に11歳〜13歳まではゴールデンエイジと呼ばれ、一番基礎運動能力を学習しやすい時期になります。

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ボールを使わないラダーやマーカーを使ったスピードトレーニングやコーディネーショントレーニングは基礎運動能力アップを目的とした練習になります。

サッカーだけではなく全てのスポーツの動きの基礎です。かつては、木登りや、鬼ごっこ、かくれんぼ、缶けりといった「外遊び」で養われていた能力ですが、現在は意識的にトレーニングする必要があります。

①-2. 基礎運動能力の種類

基礎運動能力の種類についてサッカーの要素を交えながら表にまとめています。これらの能力をバランスよくトレーニングすることによって、体を自由に動かせるようになります。


②特化運動能力

②-1. 特化運動能力とは?

各スポーツの明確な目的・目標に対して実行されるすべての運動能力を表します。例えば、野球では、「バッティング」「投球」「キャッチング」等です。サッカーの場合は、特化運動能力はボールが常に存在するアクションとなります。もちろん、サッカーの特化運動能力とバスケットボール・野球などの他のスポーツに要求させる特化運動能力は異なります。

②-2. 特化運動能力の種類

特化運動能力の種類を表にまとめています。


③サッカーにおける特化運動能力

「サッカーにおける特化運動能力=技術アクション/テクニック」です。

リフティング
パス
シュート
コントロール
突破のドリブル(レガテ)
運ぶドリブル(コンドゥクシオン)
守るドリブル(プロテクション)
クリアー
インターセプト
など

特化運動能力を上げるためには、コーンドリブル、対面パス、状況を設定しない1vs1、リフティングなどを行います。もちろん同時に基礎運動能力も鍛えられます。

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④技術アクションの戦術的意図

④-1. 技術アクション(テクニック)の定義

サッカープレーヤーが、ルール上で許される体のすべての部分を用いて、ボールを支配するアクションである。個人技術の向上(味方の助けなしに1人でゴールを決める)、また集団技術の向上(個人技術の向上による2〜3人グループの技術アクションの精度の向上)が見込める。


個人のプレー状況を解決するためのプレーヤーとボールの関係の中で生まれるツール。

サッカーにおいてプレーヤーは継続的に発展するプレー状況に順応して、運動アクションを行わなければならない。常に「認知」「判断」の後に「実行」される。つまり、プレーヤーのすべての運動アクションは、自身の戦術的判断に基づくものである。


『サッカーで起こるすべての運動アクション・体の動きは、戦術的判断と関係を持つ』

つまり、技術/テクニックは「認知」「判断」の後に「実行」されるボールと自分の関係のアクションということです。

つまり「認知と判断」の部分にフォーカスしたものがテクニックの戦術的意図となります。

④-2. 戦術的意図とは?

基礎・特化運動能力が「動き方」なら、戦術的意図は「使い方」です。体の使い方、ボール扱いとは関係のない事前アクションー技術アクション実行ー事後アクションすべてのキーファクターが戦術的意図となります。キーファクターとは「その技術アクションを効果的に成功させるためののコツ」と考えてください。

【例】パスを指導する場合

基礎・特化運動能力へフォーカス
戦術的意図へフォーカス
キーファクター
軸足は蹴りたい方向へ向ける

長短のパス / グラウンダーパスとエアパスを使い分ける

膝を曲げて腕でバランスを取る

1つ飛ばしたパスを優先する

軸足はボールの真横に置く

ボールが来る前に事前に周りを見て状況を把握する

(ワンタッチパス)

足は大きく上げすぎない

味方との距離感によって、パススピードを変化させる

足の内側の平たい面でボールを蹴る

(インサイド)

前にスペールがある時は、

スペースにパスを出して味方のスピードを止めない

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④-3. 基礎運動能力・特化運動能力・戦術的意図、3つ要素の関係性

これらの3つは相互的に成り立っています。どれが欠けてもいけません。

例えば、「シュート」の技術アクション

  1. 走っている最中に、片足で立つ→バランス/停止(基礎運動能力
  2. インステップキックで強いボールが蹴れる→シュート(サッカーの特化運動能力
  3. ゴールキーパーの位置を見てシュートコースを決定する→シュートの戦術的意図

まとめ

すべてをバランスよくトレーニングして試合で使えるテクニックを身につけることができます。トレーニングの際に、3つの内どの要素をトレーニングしているか?意識して練習すると良いかと思います!是非試してみてください。


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スーペルクラック編集部

スーペルクラック編集部

スペイン・バルセロナを拠点に活動。「本物のスペインサッカーをありのままに生き生きと伝えたい」そんな想いで日々コンテンツを更新する。ライター、サッカー監督、プレーヤー等、多岐にわたるスペイン在住邦人が執筆・編集。深くサッカーを学びたいあなたへ。

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