2vs1を制する者がサッカーを制する!オフェンスの9つのポイント♪
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 2.2vs1の数的優位を突破するボール保持者の4つのポイント
- 2.1.ポイント① 引き付けるドリブル
- 2.2.ポイント② ディフェンスのプレスの掛け方を見る
- 2.3.ポイント③ ディフェンスとの距離が2~3メートルでパスする。※遠すぎず、近すぎず
- 2.4.ポイント④ 縦にドリブルして前に抜ける
- 3.2vs1の数的優位を突破するサポートの5つのポイント
- 3.1.ポイント⑤ 幅を取る=デフェンスが1人で2人を見れない状況を作る
- 3.2.ポイント⑥ ゴール前に近づくにつれ、距離を縮める
- 3.3.ポイント⑦ 前に出過ぎない
- 3.4.ポイント⑧ パスコースがない場合は、サポートの角度を変える
- 3.5.ポイント⑨ ボール保持者がドリブルを選択したときは、ドリブルするスペースを消さないサポートをする
- 3.6.まとめ
- 3.7.関連記事
- 4.戦術理解度チェック
はじめに
【2対1の状況が、サッカーで重要な理由】
サッカーはフィールドプレーヤー10人+ゴールキーパー1人の11人1チームが、11vs11で戦うスポーツです。
ここで疑問が生まれます。数的同数で戦うスポーツなのに、なぜ2対1の状況が重要なのでしょうか?
2vs1を制する者がサッカーを制する!ディフェンスの3つのテクニック♪
それは「最終ラインは1人以上の数的優位を保つ」という原理原則が関係しています。
=「ビルドアップの際は常に1人多い数的優位の状況が生まれる」ことを意味するのです。
以下の(図1)をみてください。
ゾーン1では4vs3・ゾーン2では3vs3・ゾーン3では3vs4の状況となっています。この選手の数的配列は、「最終ラインは1人以上の数的優位を保つ」という原理原則によって生まれた形といえるでしょう。
つまり、ゾーン1では数的優位・ゾーン2では数的同数・ゾーン3では数的不利となることが、サッカーには多いと分かります。
ゾーン1の4vs3をさらに細かく分けた(図2)を見てください。
このように4vs3の状況は、【3つの2vs1】に分割できます。
そして、ゾーン1の2vs1を突破すれば、ゾーン2でも数的優位が生まれます。
さらにゾーン2の数的優位のシーンを細かく分けた(図4)が以下になります。
つまり!!
2vs1を崩せば、最終ラインまで辿りつけるのです。最終ラインでは、「数的同数での崩し」と「サイドでの2vs1の崩し」が重要となりますが、ここまでの説明で「2vs1」の状況を解決できる力が、どれだけ大切かをお分かり頂けたと思います。
最後には、理解度チェッククイズがあります。
ぜひ、挑戦してみてください!
2vs1の数的優位を突破するボール保持者の4つのポイント
2vs1は「いかに速く突破するか」が重要です。サッカーでは、相手の守備スライドが間に合ってしまうと、2vs1の状況から2vs2に追い込まれてしまいます。(図5)
今回の記事では、できる限り素早く2vs1を突破する9つのポイントをご紹介します。
ポイント① 引き付けるドリブル
スペインでは、ドリブルは「運ぶドリブル」と「突破のドリブル」の2種類が存在します。さらに「運ぶドリブル」には3つの用法があり、その中の1つに「引き付けるドリブル」があります。
「引き付けるドリブル」とは、相手を誘い出し、空いたスペースを作るドリブルです。詳しくは以下の関連記事をご覧ください。
関連記事
『運ぶドリブル』をマスターしよう!~3つの用法とトレーニング動画
2vs1の状況での横パスは、相手に時間を与えることになります。また、ドリブルで相手を引き付けずにパスすれば相手に追いつかれる可能性も高くなります。(図6)これでは相手のラインを超えることはできません。
素早くドリブルで前に運びディフェンダーを引きつけて、相手がパスを出した後、追いつけない状況にします。(図7)
ポイント② ディフェンスのプレスの掛け方を見る
何気なくボールを前に運ぶだけでは、ディフェンスを引きつけても意味がありません。運ぶドリブルをしながら「ディフェンダーのプレスの掛け方」を観察しましょう。2vs1での守備はおもに以下の2つに分かれます。
- 相手がパスコースを切らずにプレスに来た場合
- 相手がパスコースを切りながらプレスに来た場合
ポイント③ ディフェンスとの距離が2~3メートルでパスする。※遠すぎず、近すぎず
相手がパスコースをケアせずにプレスに出てきた場合、パスを選択しましょう。パスするタイミングは、相手との距離が2~3メートルまで近づいたところです。相手が遠すぎると、パスを出しても受け手に追いつかれます。逆に近すぎると、パスコースが消えてしまいます。(図8)
ポイント④ 縦にドリブルして前に抜ける
ディフェンダーに塞がれてパスコースがない場合は、スピードの変化を加え、縦へドリブル突破しましょう!(図9)
2vs1の数的優位を突破するサポートの5つのポイント
ここからはボール保持者ではなく、サポートする受け手の動きに注目します。
ポイント⑤ 幅を取る=デフェンスが1人で2人を見れない状況を作る
ボール保持者に近づきすぎると、相手デフェンダーが1人で2人を同時に見れます。相手の視界を分断するためにも出来るだけ幅を取りましょう。
また幅を取り、スペースを作ることで、「パスを受けた後に、デフェンダーに追いつかれない」というメリットもあります。
ポイント⑥ ゴール前に近づくにつれ、距離を縮める
ゴール前の2vs1では、広がりすぎるとゴールから遠ざかってしまいます。ゴールから遠すぎず、相手にも近すぎない位置を見つけてポジショニングしましょう。
ポイント⑦ 前に出過ぎない
2vs1の状況で前に出過ぎると、「オフサイドになるリスク」と「パスコースを消すリスク」が同時に生まれます。出来るだけボール保持者の少し前・真横・少し後ろの位置をキープしましょう。
ポイント⑧ パスコースがない場合は、サポートの角度を変える
パスコースが消された場合は、サポートの角度を変えましょう。止まると2vs1が1vs1の状況になり相手が有利になってしまいます。
ポイント⑨ ボール保持者がドリブルを選択したときは、ドリブルするスペースを消さないサポートをする
ボール保持者がドリブル突破を選択した時は、ドリブルしたスペースと被らないサポートを心がけましょう。ドリブルしたスペースへ入ってしまうとボール保持者と衝突し、スペースを消し合うことになります。
まとめ
サッカー選手にとって2vs1の解決方法を知ることは基本中の基本です。実践で使えるようになるには、まずは頭で理解すること。そして、ピッチの上で使ってみることです。指導者は、選手たちが2vs1の状況をピッチ上で見つけることが出来るようなトレーニングを、設定してあげると良いかもしれません。
理解度チェックの回答
①=ポイント⑤「横幅をとる」センターバックの距離感が近すぎるので、もう少し横に広がるべきです。
②=ポイント②「ディフェンスのプレスのかけ方をみる」/ポイント④「縦にドリブルして前に抜ける」/ポイント⑦「前に出すぎない」
③=ポイント⑧「パスコースがない場合は、サポートの角度を変える」
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