2vs1を制する者がサッカーを制する!ディフェンスの3つのテクニック♪
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はじめに
【2対1の状況が、サッカーで重要な理由】
サッカーはフィールドプレーヤー10人+ゴールキーパー1人の11人1チームが、11vs11で戦うスポーツです。
ここで疑問が生まれます。数的同数で戦うスポーツなのに、なぜ2対1の状況が重要なのでしょうか?
それは「最終ラインは1人以上の数的優位を保つ」という原理原則が関係しています。
=「ビルドアップの際は常に1人多い数的優位の状況が生まれる」ことを意味するのです。
以下の(図1)をみてください。
ゾーン1では4vs3・ゾーン2では3vs3・ゾーン3では3vs4の状況となっています。この選手の数的配列は、「最終ラインは1人以上の数的優位を保つ」という原理原則によって生まれた形といえるでしょう。
つまり、ゾーン1では数的優位・ゾーン2では数的同数・ゾーン3では数的不利となることが、サッカーには多いと分かります。
ゾーン1の4vs3をさらに細かく分けた(図2)を見てください。
このように4vs3の状況は、【3つの2vs1】に分割できます。
そして、ゾーン1の2vs1を突破すれば、ゾーン2でも数的優位が生まれます。
さらにゾーン2の数的優位のシーンを細かく分けた(図4)が以下になります。
つまり!!
攻撃側は2vs1を崩せば、最終ラインまでたどりつけます。
逆に言えば、2vs1を崩されなければ強固な守備組織になるということです。
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2vs1の数的不利を守る3つのテクニック
2vs1の状況で、攻撃側は「いかに速く突破するか」が重要です。
つまり、守備側は「いかに相手の攻撃を遅らせるか」が対抗手段となります。味方の守備スライドが間に合えば、2vs1の状況から2vs2に追い込めます。(図5)
今回の記事では、2vs1で「時間を稼ぐ」「ボールを奪う」ための3つのテクニックをご紹介します。
テクニック① 後ろに下がりながら、遅らせる
2vs1の状況で、ボール保持者へ近づくアプローチをすれば、確実にパスで交わされます。
「2vs1」数的不利の状況に対する守備において、第一優先は「味方が戻ってくる時間を稼ぐ=遅らせること」です。
2vs1の状況を突破されないためには、まず背後のスペースを消すために後退します。相手のスピードを遅らせながら、味方の助けを待ちます。2vs2の数的同数の状況になるまで時間を作れば、「守備側の勝ち」と言えるでしょう。
図2のように自分の背後のスペースを消すイメージで後ろに下がって行きます。
テクニック② パスが出たら、スペースを守る
これは多くの選手に見られる改善ポイントです。2vs1を突破されないための秘密は、パスを出された後の「移動する場所」に隠されています。
よくあるミスは、「ボールへアプローチに行く」です。これは、【ボール保持者への守備】しか学んでいない選手に多い失敗です。
上図のように、ボール方向へ守備をすると、相手にワンタッチで交わされる可能性が高くなります。
逆に、【スペースへの守備】を知っている選手は、自分のラインを超えられなければ勝ちだと知っています。自分の背後のスペースを守る場合は、パスを出された後の走る軌道が変化します。
図3と図4では、走る軌道が2~3メートル変化しただけですが、図4では敵は2vs1を突破できていません。
特に数的不利を守る場合は、【ボールへの守備】と【スペースを守る守備】をうまく使い分ける必要があります。
ポイント③ パスコースを切ってプレスに行き、1vs1の状況に追い込む
最後は、2vs1の数的不利に対して、守備側がイニシアチブを持って解決するオプションです。
後ろに下がって遅らせるばかりでは、受け身の守備になってしまいます。
積極的なプレスにより、2vs1を解決する方法は、「サポートする選手へのパスコースを切りながら、ボール保持者にアプローチする」オプションになります。
2vs1を1vs1に追い込むイメージで守備をすると良いでしょう。(※パスコースを切らずにプレスに行けば、簡単に突破されるので注意しましょう)
以下の状況は2vs1を1vs1にする絶好の機会です。
- ボール保持者とサポートする選手の距離間が近い
- ボール保持者のドリブルが大きい
- ボール保持者が、ボールばかり見ている
- サポートする選手が、パスコースを作っていない
戦術理解度チェック
以下2つの状況を見て、何を修正するべきでしょうか?
まとめ
サッカー選手にとって2vs1の解決方法を知ることは基本中の基本です。実践で使えるようになるには、まずは頭で理解すること。そして、ピッチの上で使ってみることです。指導者は、選手たちが2vs1の状況をピッチ上で見つけることが出来るようなトレーニングを、設定してあげると良いかもしれません。
【理解度チェックの解答】
①=チームのゲームプランにもよるが、①の状況では敵サイドバックがパスコースを作れていないので、センターバックに「外のパスコースを切りながら」プレスに行くべき。ウイングの矢印が前方向になる。
②=自チームのウイングが抜かれたシーン。この場面では、サイドバックは敵ウイングを離してまで、ボールへプレスに行くべきではない。サイドバックの矢印は後ろ方向になる。
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