【スペインサッカー紀行】バレンシアの街とValencia CF
スペインサッカー紀行Vo,4は「バレンシア」
この連載では、スペイン1部リーグに所蔵するクラブの都市を紹介していきます。スペインには美しい都市が多く存在し、そのすべての街にサッカー文化が根付いていると言っても過言ではありません。サッカークラブと共生するスペインの街々の歴史と暮らしに迫ります。
Vol,1では、バルセロナについてご紹介しています。
【スペインサッカー紀行】バルセロナの街とFC BARCELONA
バレンシアってどこ?
バレンシアはスペイン東部に位置する地中海に面した街です。
気候は一年中温暖な地中海性気候で、バレンシア港はヨーロッパ屈指の貿易港として知られています。
マドリード、バルセロナに次ぐスペイン第3の都市であり、多くの観光客が3月に開催されるスペイン三大祭りのひとつ、ファジャス(サン・ホセの火祭り)を楽しむために訪れます。
また夏はスペイン屈指のリゾート地として名を馳せ、街全体がバケーションの雰囲気に包まれます。街の中心から簡単にアクセスできるマルバロッサ海岸沿いには素敵なレストランが軒を連ねており、ビーチだけでなくグルメも堪能できます。
街並み
バレンシアは世界有数の収穫高を誇るオレンジと、近郊のアルブフェラ湖周辺に水田が広がるため、この地方発祥でスペインが世界に誇る料理であるパエージャで有名です。
街の歴史は非常に古く、紀元前の古代ローマ時代まで遡ります。その後は地中海貿易の重要拠点となり栄えてきました。
街の中心である旧市街には、イスラムの王宮跡に15世紀後半に建造された世界遺産のラ・ロンハ(絹の商品取引所)の他、カテドラル、ミゲレテの塔などの古い建築物やスペイン最多の陶器を所有する国立陶器博物館などがあります。
近年、バレンシアの建築家サンティアゴ・カルトラバとマドリードの建築家フェリックス・キャンデラが手がけた、バレンシアが世界に誇る未来的な雰囲気を持つ芸術科学都市(CAC)と呼ばれる複合施設が建造されました。この中にあるソフィア王妃芸術宮殿(オペラハウス)、レミスフェリック(プラネタリウム、IMAXシアター)、オセアノグラフィック(海洋博物館)、フェリペ王子科学博物館などの建物はどれも独特な外観を誇っています。
バレンシア CFの歴史
バレンシア・クルブ・デ・フットボル(以下、バレンシアCF)の創設は1919年3月19日で、間もなく100周年を迎えます。クラブカラーは白とオレンジで、チームエンブレムにはバレンシアで幸福の使者と考えられているコウモリが描かれています。
リーガ6度の優勝を誇りますが、最後にそのタイトルを勝ち取ったのは2003/04シーズンでした。また1999/00と2000/01の2シーズン連続でチャンピオンズリーグ決勝に進出するも、それぞれレアル・マドリードとバイエルン・ミュンヘンに敗れています。
個人に目を向けると、2013/14シーズンには指宿洋史選手がBチームのバレンシアCF・メスタージャでプレーしました。そしてこれまでにムンド、ケンペス(それぞれ2回)、リカルド、ヴァウドの4選手がプリメーラのピチーチ賞(得点王)、カニサレス(3回)、エイサギレ(2回)、ゴヨ、アデラルド、マンサネド、オチョトレナの6選手がサモラ賞(最優秀GK賞)を受賞しています。
メスタージャ
バレンシアCFのホームスタジアム、メスタージャ(収容人数50,242人)は1923年5月20日にこけら落としが行われ、最初の対戦相手は同じ街のライバル、レバンテでした。
現在、UEFAスタジアムカテゴリーで最高ランクの4に評価付けされており、過去には自国開催の1982年のW杯や1992年のバルセロナオリンピックの試合会場になっている他、近年では国王杯決勝で何度も使用されています。
メスタージャが老朽化しているため新スタジアム(ノウ・メスタージャ)建設工事が2007年夏よりスタートしましたが、資金難などを理由に中断され再開の目処が立っていません。そのため今も変わらず、メスタージャがバレンシアCFの戦いの舞台となり、サポーターを興奮させています。
※出典
https://www.casadomo.com/2017/04/12/estadio-mestalla-tendra-4g-conexiones-internet
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