【バルセロナで戦うサッカー監督コラム】監督としてピッチに立つ重要性
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 2.バルセロナに来るまで
- 3.現地で出会った日本人監督からの教え
- 4.実体験を持って感じた現場での経験の重要性
- 5.関連記事
はじめに
これまで私自身の経験を下に、スペインサッカーについてさまざまな観点からコラムを書かせていただいています。
以前のコラム
【バルセロナで戦う現地サッカー監督コラム】スペインで学んだ『外国人監督』として大切なこと
今回は、今後指導者として現場で活躍したい方に向けたコラムです。
「1人の日本人の指導者がスペインでどういった成長を遂げていくか」
それを、私の実体験ともにご紹介します。
バルセロナに来るまで
バルセロナに渡西して4シーズン目。
4年という時間は、長いようで短く、また多くの困難がありました。
私がスペインに来た当初の理由は「海外で生活をしてみたい」というものでした。当初は、理想とする監督像もなければ、「スペインサッカー戦術の知識を身につけたい」といった野望もなかったです。その上、スペインで学びスペインサッカーライセンスを取得して、将来日本で指導できればいいなという程度でした。
スペインサッカーライセンスさえ所持していれば、日本に帰っても”箔”がつくから大丈夫。
そのような甘い考えも持っていました。
現地で出会った日本人監督からの教え
しかし、そのような考えはバルセロナに来て、すぐに変わりました。
なぜならば、バルセロナに先にわたり活躍していた日本人指導者の方々が・・・
「ライセンスはあくまでインプット。本物の指導者を目指したければ、アウトプットも必要になる。学んだ知識を、責任ある立場でピッチに落とし込む経験をバルセロナでしたほうがいいよ」
と、口をそろえて言っていました。
「コーチングスクールで学んだ知識を、ピッチで選手に伝えられたとき」
始めて指導者としての1歩をふみだす。と、教えてもらいました。
それから私は、目標を再設定し、バルセロナで1人前の指導者になろうと決心します。
しかし、スペインには優秀な指導者が多く、そういった監督たちを目の前にして、自分の非力さと焦りを覚えました。
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非力ながらに運と人だけには恵まれ、コーチングスクール入学と同時に、U9の監督としてオファーをいただきます。このオファーによって、インプットとアウトプットを同時に進められる環境を手にしたことは、最大の収穫でした。
実体験を持って感じた現場での経験の重要性
コーチングスクールで、サッカーを理論としてインプット。
監督として、サッカー理論をピッチでアウトプット。
この両方の経験を通して、
指導者として多くの事を学びたければ、できるだけ早く監督をすることが一番。
ということに気づきました。
コーチングスクールで学ぶ知識は大切であることが前提であり、基本です。
しかし、ピッチで「伝える」ことができなければ、指導者とは言えません。
「伝える」を学ぶには、ピッチで責任を背負う『監督』としての立場で経験する場数がとても重要です。
最初は、監督として力が不足していて当然です。
実力がないからどうすればいいかと悩み、そこからグルグルと思いを巡らせ、自らの頭で考えることで、1人前の指導者に成長していきます。
レベルの高いチームで「アシスタントコーチして学びたい!」と思っている人もいるでしょう。もちろんレベルの高いチームから学ぶことはたくさんあります。そして、そういった経験はいつか必要になってきます。
しかし、まず指導者として歩んでいきたければ、海外であろうが日本であろうが・・・
チームをまとめあげる経験。
それが、最も重要な要素となってきます。
責任ある立場で、理想と現実のはざまで戦う。
指導者は常に難しい選択をしていかなくてはなりません。
その苦しみこそが、指導者としての成長を促してくれます。
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