【スペインサッカー紀行】ビルバオの街とAthletic Bilbao
スペインサッカー紀行Vo,5は「ビルバオ」
この連載では、スペイン1部リーグに所蔵するクラブの都市を紹介していきます。スペインには美しい都市が多く存在し、そのすべての街にサッカー文化が根付いていると言っても過言ではありません。サッカークラブと共生するスペインの街々の歴史と暮らしに迫ります。
Vol,1では、バルセロナについてご紹介しています。
【スペインサッカー紀行】バルセロナの街とFC BARCELONA
ビルバオってどこ?
ビルバオはスペイン北部に位置するバスク州最大の街です。
この地域は夏は涼しく、冬もそこまで気温が下がらないため、夏は避暑地、冬は避寒地として人気があります。また乾燥した地域の多いスペインの中でも雨量が多く緑豊かです。
ビルバオは、独自の文化と伝統を保ち、バスク語というスペイン語とは全く異なる独特の言語があります。
街並み
ビルバオはビスケー湾に開いたビルバオ港と鉄鉱山のおかげで、ヨーロッパでも屈指の工業地帯として発達し、スペイン国内でも経済力が強い地域になっています。
街の中心にはネルビオン川が流れ、歴史的な建物が並ぶ旧市街(カスコ・ビエホ)と近代的な新市街に分かれています。
旧市街にはビルバオ市民の憩いの場にもなっている美しいヌエバ広場や、14世紀に建築されたサンティアゴ大聖堂があります。美食の街としても知られ、色取り取りのピンチョスがずらりと並ぶバルがいくつもあります。
また近年は芸術面に力を入れており、ニューヨークなどにもあるモダンアートの殿堂グッゲンハイム美術館が1997年にオープンしました。建物正面の巨大な犬の像“パーピー”は人目を引きます。
ビルバオ空港や、ネルビオン川にかかるスビスリ橋は、2004年アテネオリンピックのスポーツコンプレックス(総合運動施設)の設計も手がけたスペインを代表する建築家サンティアゴ・カルトラバによるものです。イギリス人建築家ノーマン・フォスターによる地下鉄のデザインも洗練されています。
そしてビルバオ郊外に足を延ばすと、1893年に建設され100年以上の歴史がある世界最古の運搬橋である世界遺産のビスカヤ橋があります。
アスレティック・クルブの歴史
アスレティック・クルブ(以下、アスレティック)は1898年に創設されました。
クラブカラーは赤と白の縦縞で、契約選手は“バスク人”に限定されています。レアル・マドリード、バルセロナと並び、プリメーラ(リーガ・エスパニョーラ1部)から創設以来一度も降格したことがありません。
リーガ優勝回数はレアル・マドリード、バルセロナ、アトレティコに次ぐ8回ですが、最後の優勝は1983/84シーズンと30年以上前でした。一方、国王杯優勝はバルセロナに次ぐ23回を誇っています。しかしリーガ同様、最後の優勝は1983/84シーズンです。
個人賞に目を向けるとテルモ・サラがプリメーラ史上最多となる6度の得点王に輝いています。
サン・マメス
アスレティックのホームスタジアム、サン・マメス(収容人数53,000人)のこけら落としは2013年9月16日に行われたリーガのセルタ戦です。
この試合は、サン・ホセ、イラオラ、ベニャのゴールにより3-2で勝ちました。
UEFAスタジアムカテゴリーで最高ランクの4に格付けされており、ユーロ2020の会場の一つに選ばれています。
一方、その前まで使用していた旧サン・マメスは1913年に開場し、“ラ・カテドラル(大聖堂)”の愛称で親しまれ、スペイン最古と言われた伝統あるサッカースタジアムでした。