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得点率UP!ポジティブトランジションのプレー局面をチームに落とし込め!


目次[非表示]

  1. 1.はじめに
  2. 2.トランジションのプレー局面とは
  3. 3.プレー局面の境目
  4. 4.プレー主原則の設計
  5. 5.プレー準原則の設計
    1. 5.1.⑴  ボール保持者にフォーカスしたプレーシーンの選定
    2. 5.2.⑵  攻撃準備のオーガナイズ
    3. 5.3.⑶  ゾーンとレーン
  6. 6.まとめ
    1. 6.1.関連記事


はじめに

現代サッカーにおけるポジティブトランジションの重要性

セットプレー】20-30%、【組織攻撃】20%-30%、【トランジション】40%-50%。
上記のデータは、サッカーの試合における得点率をプレー局面別に割り出したデータです。現代サッカーでは、「奪ってから相手ゴールまで迫るスピード」がチームの勝敗を決することが多くなっています。

守備戦術の発達した今日、ハイレベルの試合であればあるほど相手の組織的な守備を崩すことは容易ではありません。全得点の75%は、『1プレー局面中、10秒以内、1~5本のパス』の条件下から生まれている。その現実を考慮すれば、ポジティブトランジションでのプレー構築は必須といえるでしょう。


トランジションのプレー局面とは

トランジションは、サッカーにおける4つのプレー局面の中に属しています。

①  組織攻撃

②  ネガティブトランジション(攻撃から守備の切り替えのプレー局面)

③  組織守備

④  ポジティブトランジション(守備から攻撃の切り替えのプレー局面)

以上の4つのプレー局面が存在します。基本的に1チームのプレー局面は、①→②→③→④→①→②→③→…と、続きます。しかし、トランジションの後に組織を形成できない状態になる場面もあります。ピッチに時間とスペースが生まれるオープンな展開になると、トランジションが連続して続く場合も存在しています。つまり②→④→②→③→④→…といったプレー局面の循環もあり得るということです。

プレー局面の境目

トランジションから組織への移り変わりの瞬間を見極める。難しいですが、1つ基準を設けます。それは「両チームの陣形(システム)が見えた時点=組織が整った瞬間」です。以下の動画クイズにチャレンジしてみてください!


【スぺクラクイズ】トランジションから組織へ変わる!プレー局面の変わり目を理解しよう!

プレー主原則の設計

プレー主原則の設計とは、チームで共通のフレーズを作ることに関係します。ポジティブトランジションのプレー状況は、アトレティコマドリードのように「奪った後、素早く前に前進して攻撃する」、もしくはバルセロナのように「ボールポゼッションを選んで、組織攻撃に移る」の2つに大きく分かれるでしょう。もちろんサッカーは白と黒で分けることはできません。ボールポゼッションを志向するチームでも、チャンスがあればカウンターアタックを仕掛けることは当然です。しかし、チームの共通意識を“ある程度”統一しなければ、「チームの色」は生まれません。主原則は、「チーム全体の意識をどちらの方向に近づけるか」を決定する上で重要な要素と言えるでしょう。


例)カウンターアタックを志向したいチーム→「少ないタッチで素早く相手ゴールを目指す」

ボールポゼッションを志向したいチーム→「ボールを大切にして攻撃の準備を整える」


プレー準原則の設計

⑴  ボール保持者にフォーカスしたプレーシーンの選定

まずポジティブトランジションにおける選手の判断基準となり得るプレーシーンの選定を行います。2つくらいのプレーシーンを選べば十分でしょう。

例)

① ボール保持者(ボールを奪った選手)がプレッシャー受けているシーン 

②  ボール保持者がフリーなシーン 

③ ボール保持者が後ろ向きのシーン

④ ボール保持者が前向きのシーン etc.


⑵  攻撃準備のオーガナイズ

攻撃準備とは、「自チームが守備をしているときの、前線の選手たちの攻撃に備えたポジショニングである」

例えば、以下の図のように自チームが相手に押し込まれているとき、チームが前線の選手の立ち位置を知っていれば、クリアーボールを拾える可能性が高くなります。また、ロングカウンターやショートカウンターの際も、共通意識が生まれ、効果的な攻撃となるでしょう。

 失敗例)


 成功例)



⑶  ゾーンとレーン

ピッチを横に3つに分けたスペースをゾーン。ピッチを縦に3つに分けたスペースをレーンとします。そのように考えれば、ピッチには9つのスペースが生まれます。


この各スペースで⑴で決めたプレーシーンが発生した場合の、プレー準原則を定めましょう。


主原則 少ないタッチで素早く相手ゴールを目指す
準原則
左サイドレーン
中央レーン
右サイドレーン
ゾーン1


① 中盤が後ろから

サポート。

ボールを引き出して、

ゴールを素早く目指す。


② ゴール方向へ。

前の選手は止まらない。

ショートカウンター。


① 中盤が後ろから

サポート。

相手の陣形が整う前に

中央突破。

次にサイド攻撃。


② 中央突破。

素早く攻める。

ショートカウンター。

① 中盤が後ろから

サポート。

ボールを引き出して、

ゴールを素早く目指す。


② ゴール方向へ。

前の選手は止まらない。

ショートカウンター。


 例)左サイドレーン
ゾーン2

① パスで同レーンから

逆サイドへ

素早く展開し、

前進する。


② ゴールに直結する

アクションを選ぶ。

前線の選手は

サイドに流れすぎず、

ゴール方向への

動き出しを優先する。


① パスで前向きの選手

に預ける。

次のアクションで

ゴールに直結する

オプションを

選ぶ。


② 中央突破。

素早く攻める。

サイドの選手は

ボールを追い越す。

前線の選手は、

受ける準備をし、

背後へ

飛び出す動き。



① パスで同レーン

から逆サイドへ

素早く展開し、

前進する。


② ゴールに直結する

アクションを選ぶ。

前線の選手は

サイドに流れすぎず、

ゴール方向への

動き出しを優先する。







 例)中央レーン
ゾーン3

① GKを含めて

危険を回避。

シンプルな

プレーを選択。


② 攻撃準備をしている

選手へ配給し、

ロングカウンターを狙う。

① GKを含めて

危険を回避。

シンプルな

プレーを選択。

クリアーはサイドへ。


② サイドへボールを

預けて時間を作る。


① GKを含めて

危険を回避。

シンプルなプレーを

選択。


② 攻撃準備を

している

選手へ配給し、

ロングカウンターを

狙う。



 例)右サイドレーン






まとめ

現代サッカーにおいてポジティブトランジションのプレー構築は、プレーモデル形成の過程で欠かせません。「切り替えの意識」や「反応スピード」を高めるだけではなく、トランジションのプレー局面でチームとして共通のプレー原則があれば、より効果的にゴールを生み出すことができるでしょう。


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スーペルクラック編集部

スーペルクラック編集部

スペイン・バルセロナを拠点に活動。「本物のスペインサッカーをありのままに生き生きと伝えたい」そんな想いで日々コンテンツを更新する。ライター、サッカー監督、プレーヤー等、多岐にわたるスペイン在住邦人が執筆・編集。深くサッカーを学びたいあなたへ。

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