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トラップ際を狙わせない!サッカーの試合でつかえるトラップのコツ【3ステップ】

目次[非表示]

  1. 1.はじめに
  2. 2.実戦で使えるトラップにするための3ステップ
    1. 2.1.1.   事前準備 認知(体の向き・首を振る)
    2. 2.2.2.   コントロールオリエンタード ¨Control Orientado¨
    3. 2.3.3.   戦術的意図
      1. 2.3.1.・前進するためのトラップ
      2. 2.3.2.・展開するためのトラップ
      3. 2.3.3.・緊急時にボールを守って逃がすためのトラップ
    4. 2.4.関連記事

はじめに


なぜかトラップするといつも敵にぶつかってしまう

そんな悩みは、足でボールを扱うサッカーに付きものです。当たり前ですが、手よりも足のほうが不確実性は増します。何より相手がいる状況ではトラップの成功率はグンっと下がってしまうことが多いのではないでしょうか?

練習でトラップをするときは上手くいくのに、試合では成功率が低くなってしまう。

この問題を解決するには、トラップをするときの戦術的意図を考える必要があるのです。


【合わせて読もう!】
【戦術的意図】サッカーの試合で使えるテクニックが、グッ!と伸びる仕組みを考える


今回の記事では、サッカーにおけるトラップのテクニックを試合で上手く使うコツを大公開します!


実戦で使えるトラップにするための3ステップ


1.   事前準備 認知(体の向き・首を振る)

認知→判断→実行の流れの中で、特に「認知」はテクニックを試合で発揮するために重要なフェーズとなります。認知アクションには「何を・どのように見るか」が重要になります。「何を見るか」の前に「どのように見るか」の部分が足りていないと周囲の情報を上手くキャッチすることができません。

では体向きさえ整えればよい答えはNOですサッカーは状況が次々に変化するスポーツ。状況の変化を先読みしても、体の向きを取るだけでは、十分な情報キャッチできません。特に自分の背後のスペース状況把握は疎かになりがちです。つまり、「首を振って自分の死角の状況を見る」動作が必ず必要となります。

【合わせて読もう!】「判断が遅い!」と言われたサッカー選手が読む認知力を高める記事6選


つまり「体の向き」と「首を振る」アクションは認知のための基本セットと言えます。選手・コーチは、「サポートの際の体の向き」と「ボールを受ける前に首を振った回数」を動画で再確認するとよいでしょう。いかに情報をキャッチするための準備が少ないかが分かると思います。


2.   コントロールオリエンタード ¨Control Orientado¨

スペイン語で、「トラップ」は‘’Controlコントロール‘’。‘’オリエンタードOrientado‘’は、「方向づける」という意味があります。コントロールオリエンタードとは、「方向づけられたトラップ」と直訳することができます。


コントロールオリエンタードは、スペイン人のサッカー選手・指導者なら必ず知っている超重要ワード。スペイン流トラップの基本中の基本と言えます。

コントロールオリエンタードの定義

戦術的な目的によって変化する有効なスペ―スへワンタッチでボールを運ぶアクション


スペインでは「試合中にボールを足元にピタリと止めること」を重要視する指導は少なく、ボールを有効なスペースへ運びだすコントロールオリエンタードを軸にトラップの練習を行っています。

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3.   戦術的意図

コントロールオリエンタードの概念から「戦術的な目的を意識したトラップ=戦術的意図が含まれたトラップ」という構図が生まれます。


ここでは3つの戦術的意図に基づいたトラップの種類を紹介します。


・前進するためのトラップ

✧ トラップの前のサポートのタイプ→前進のサポート

自分をマークする選手と同じ高さ、もしくは少し前にポジションを取りファーストタッチ、または味方からのパスで相手を超えるためのサポート。斜めのパスを受け、プレーの前進を目的とする。

ボール保持者がフリーである場合は前進のサポートを優先する。保持者に近づくことによって自分をマークしている相手の選手を連れて来てしまう状況をなるべく作らない。縦距離を調整しマーカーに同一視されないポジショニングを意識する。

自分をマークする選手のポジショニング、自分の前に前進可能なスペースがあるかどうかを知るための身体の向きをつくっておくことも重要。


✧トラップの目的→侵入したいスペースを意識して、リズムアップで素早く前に進む

【ポイント】

1.   コントロールオリエンタードで素早く前のスペースにボールを動かす

2.   相手のプレスバックが追い付かないスピードで侵入する

3.   トラップする瞬間はスピードを調節する

(トップスピードでトラップすると正確性が減る)

4.   トラップした後のアクションをイメージしておく



・展開するためのトラップ

✧トラップの前のサポートのタイプ→継続のサポート

横幅を取って相手から離れパスコースを確保し、ボールを失う可能性を減らす。前進できずともプレーに継続性をもたらし、ボールを動かしながら新たに前進するためのスペースを探す、スペースを作り出すことを目的とする。



チームの横幅を作る役割があるサイドの選手はできる限りの横幅を調整し、相手のラインバランスを広げ選手間のスペースを広げる意識を持つ。


✧トラップの目的→方向とスピードを意識して、素早く展開できる場所にボールを運ぶ

【ポイント】

1.   コントロールオリエンタードで素早く自分が展開したいスペースにボールを動かす

2.   相手の守備スライドに追いつかれないスピードでおこなう

3.   トラップから次のアクションまで、素早く実行に移す

4.   トラップした後のアクションをイメージ(首を振って次の状況を確認)する

5.   相手ゴール方向へ‘’出来る限り‘’おへそを向けた体の向きをつくる



・緊急時にボールを守って逃がすためのトラップ

✧トラップの前のサポートのタイプ→緊急のサポート
ボール保持者に強いプレッシャーがかかっており、ボールを失う可能性が高い「緊急時」にボールに近づきパスコースを提供する、もしくは同サイドからの攻撃、前進が困難な場合そのゾーンからボールを引き出すためのサポート。ボールを失う可能性を減らし、攻撃の方向を変えることを目的とする。


同ライン、もしくは一つ後ろのラインの選手は斜め後ろのパスコースを確保し、素早くサイドを変えられる準備をしておく。ボール保持者の視覚に入るために近づく選手、スペースを作るためのチームの幅と深さを作る選手のバランスに注意する。


✧トラップの目的→シンプルな選択でボールを失わないことを優先しボールを保持する

【ポイント】

1.   コントロールオリエンタードで正確にボールをキープできるスペースにボールを動かす

2.   素早く危険なゾーンからボールを逃がす

3.   トラップから次のアクションまでを正確に行う(球離れを早くする)

4.   ボールを受ける前に、‘’必ず‘’首を振って周りの状況を確認する

5.   トラップをしない方が良い状況では、ワンタッチを有効に使う


【参考記事】4種類のサポート|サポートの種類を使い分けてボール保持率UP!

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スーペルクラック編集部

スーペルクラック編集部

スペイン・バルセロナを拠点に活動。「本物のスペインサッカーをありのままに生き生きと伝えたい」そんな想いで日々コンテンツを更新する。ライター、サッカー監督、プレーヤー等、多岐にわたるスペイン在住邦人が執筆・編集。深くサッカーを学びたいあなたへ。

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