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【サッカーのポジション別役割まとめ】ボランチ(守備時のタスク)

「ボランチの能力で試合は決まる」そんな言葉が当たり前になるほど、スペインでは中盤の中央でプレーするボランチのポジションを重要視しています。サッカーは、ピッチの両端中央に位置するゴールにボールを入れる・入れさせないスポーツです。両方のゴールとの中間に位置するのがボランチのポジション。つまり、攻撃にも守備にも参加できるので、その能力がチームに与える影響は計り知れません。皆さんは、チームの舵取り役とも言われるボランチのポジションの役割について言葉で説明できるでしょうか?

求められる役割がもっと明確にわかっていたら・・・。教える指導者もはっきりと言語化して選手に要求できます。また教えられる選手側も頭の中にはっきりとしたイメージを思い描いて、アクションを実行することができるでしょう。

今回は、ボランチの守備時のタスクのまとめ完全版を公開します。

はじめに

ポジション別タスクは個人戦術・個人技術のアクションにフォーカスしていますので、チームでの戦い方等は頭の片隅に置いておいてください。とにかくボランチのポジションでプレーする上での原理原則と考えて貰えればと思います。



〈タスク1〉

センターバックと相手を挟み込んでプレッシャーをかける(プレスバック)

→自分の背後でボールを受けられることは、バイタルエリアへの侵入を許したという事です。センターバックが相手にプレッシャーをかけている時には、必ず挟み込んでボールを奪える状況を作りましょう。


〈タスク2〉

自分のゴールに近づくに連れて「ボールを奪う守備からゴールを守る守備へ」変化させる。(中央のゾーンを意識した守備)

→ボランチは最終ラインの前の「砦」の役割を担っています。ボランチが中央の位置から出てしまうと、センターバックの前の中央レーンのバイタルエリアを使われてしまいます。相手のゴールに近ければチャレンジしてインターセプトを狙っても良いでしょう。ですが、自分のゴール前では「自分のラインを突破」されない守備を意識しましょう。


〈タスク3〉

ポジションの近いセンターバックがゾーンを出たときは、センターバックの位置にカバーに入る。

→センターバックは最後の壁ですが、どうしても自分のゾーンから出なければいけないシーンもあります。そんな時、空いたスペースを埋めるのはボランチの仕事です。常にセンターバックとコミュニケーションを取り、最も危険なゾーンを空けることのないようにしましょう。


〈タスク4〉

自らのゾーンにいる相手選手のパスコースをできる限り消す。(背後を見て相手のサポートの確認し、ボール保持者と駆け引きする)

→ボランチの選手は1人の選手をマークするだけは、中央のスペースをカバーしきれません。背後のスペースと相手のアクションを確認しながら「中間ポジション」をとって、背後のパスコースも限定できるようにしましょう。


〈タスク5〉

チームがボールを失ったあと、中央のスペースを切りながらプレスに行って相手の攻撃を遅らせる。(ボールに近い場合)

→ボランチは攻守の切り替えのスイッチを入れる重要な役目を担っています。なぜならボランチから前の選手は攻撃に参加していることが多く、カウンターを防ぐファーストディフェンダーがボランチになることが多いからです。攻撃しているときも、相手のカウンターに備えたポジションを取って、すぐにプレッシングできるようにしましょう。


〈タスク6〉

チームがボールを失ったあと、中央ゾーンにカバーリングに入って、相手に真ん中のスペースを使われないようにする。(ボールから遠い場合)

→ボールから遠いボランチは中央ゾーンへカバーリングに入ることを意識しましょう。カウンターを受けないためには「まず自分のポジションを取り戻す」ことが大切です。


〈タスク7〉

ウイングの選手へのカバーを意識した位置までスライドする。

→相手サイドバックと味方ウイングが対峙している場面では、必ずウイングの選手へのカバーを意識しましょう。ウイングが抜かれた時は、ボランチが遅らせる必要があります。


〈タスク8〉

ダブルボランチでプレーする場合は、斜めの関係で守備をする。平行にならない。

→ダブルボランチのシステムを使用するチームは、守備を安定させる意図があります。守備時に並行の位置関係だと、1人のボランチが抜かれたときに、もう1人がカバーに行くことができません。つまり同時に2人のボランチを突破されることになります。


〈タスク9〉

中央のパスコースを限定して守備をする。

→ボランチの周りを通るパスはすべて危険なパスとなります。ボランチの選手は「自分の横を通るパスが1本もない」そんな気持ちでパスコースを消す必要があります。


〈タスク10〉

ゾーン3のサイドレーンではサイドバックの選手をカバーできる位置にいる。(プレーモデルによって変わる)

→サイドレーンでの相手ウイングと味方サイドバックの1vs1のシーンでは、サイドバックのカバーリングに入れる位置を取ります。


〈タスク11〉

センターリングが上がる可能性がある場合は、ディフェンスラインに吸収される。(プレーモデルによって変わる)

→チームのプレーモデルにもよりますが、多くの場合、センターリングの際はボランチがディフェンスラインに吸収されて数的優位を確保します。最後はゴール前の攻防となるので、センターリングではゴール前に人数を割くのが主流です。


まとめ

 FCバルセロナのブスケツ選手はこれらのタスクを試合中に全て完璧にこなしています。ボランチはまさに「ピッチを上から見ているような感覚」でプレーできなければなりません。スペインでプレーするボランチのトッププレーヤー達は、ピッチで起こっている全てを理解して判断していると言われます。日本人ボランチが海外のトップクラブでプレーするためには、ポジション別の原理原則の習得を小学生高学年から取り入れる必要があるでしょう。


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スーペルクラック編集部

スーペルクラック編集部

スペイン・バルセロナを拠点に活動。「本物のスペインサッカーをありのままに生き生きと伝えたい」そんな想いで日々コンテンツを更新する。ライター、サッカー監督、プレーヤー等、多岐にわたるスペイン在住邦人が執筆・編集。深くサッカーを学びたいあなたへ。

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