スペクラ連載『リレー日記コラム』。
今回のテーマは、指導者留学での経験です。
第5回は、指導者留学でバルセロナに来ている仲翔輝さんが、指導者として昨シーズン所属したバルセロナの名門クラブでの経験を紹介したいと思います。

📸 Sant GabrielのCampo(グランド)、中心地から少し離れた、海の隣に位置している。

バルセロナに留学させてもらっているしょうきです。
指導者留学2年目となった昨シーズンは、Juvenil Preferente（フベニール・プレフェレンテ　［ユース年代3部］）に所属する、Sant GabrielというクラブのユースAチームに帯同させてもらいました。
先ずは、このクラブの紹介をしていきます。

📸 1960から存在する歴史のあるクラブ。男子、女子ともにFC Barcelonaなどに選手を輩出。

Sant gabrielはトップチームを持たず、スペインではあまり多くない育成年代のチームしか持たないクラブです。
Sant gabrielユースAチームが所属するPreferenteというディビションは、スペインのユース年代3部にあたります。Division honor（ディビシオン・オノール　[ ユース1部 ] ）、nacional（ナシオナル　[ ユース2部 ] ）、preferenteというような形です。preferenteから上のカテゴリーからは、バルサなどプロチームのカンテラのBチームが沢山所属してます。
Sant gabrielのカデーテ（U-15）、インファンティル（U-13）年代はDivision honorに所属しており、バルサやエスパニョールなどのプロチームの下部組織と同じカテゴリーでリーグ戦を行っております。

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そのため、昨シーズンFCバルセロナで最年少トップチームデビューで話題となり、今シーズンはリーガでスタメンでも出場しているラミン・ヤマルとリーグ戦で対戦したことのある選手達がいました。
そんなレベルの選手達が他のクラブに引き抜かれるということはよくあり、直接バルサやエスパニョールに移籍、他の州のプロチームのカンテラへの移籍、1つ他のチームを挟んでからプロチームのカンテラに移籍することもあります。今夏はそのパターンで、クラブから選手が一人レアルマドリードの下部組織に移籍しました。

自分が帯同したフベニールからは一部リーグへの移籍を果たした選手もいました。

ここからは自分の所属したチームの紹介をします。昨シーズンは1つ上のNacionalへの昇格を目指していました。

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チームのスタイルは前からドンドンハイプレスをかけるという戦術。練習からインテンシティが高く、どこを抑えて、どこを捨てるのかというトレーニングを行います。自分もトレーニングに混ざることが何度かあったのですが、プレスの速さ、強度、そして連動性に驚きました。自分の中で当たり前にしなければいけない基準が出来たので、凄く勉強になりました。
この戦力の拮抗した厳しいカテゴリーでは、どのチームもシーズンの目標に向け必死に闘います。そう簡単には勝てず、昨シーズンは残留争いに巻き込まれてしまいました。
自分のサッカー人生においても初めて残留争いをしたので、昇格するのとは全く違う緊張感を味わいました。あのプレッシャー、緊迫感は二度と経験したくないですが、とても良い経験になりました。

📸プロ、セミプロチームのカンテラとの対戦もこのカテゴリーとなれば当たり前。大人と同じスタジアム、ロッカールームに足を踏み入れ試合を行う。

シーズン中にあった驚く出来事で、フベニールが怪我人などでチームのスカッドが厳しくなった時に、一つ下のカデーテから選手を引き上げるのですが、その選手達がとてもレベルが高く、最大3歳離れてる相手にも全く引けを取らなかったことです。その内の一人はシーズン後にアンダー世代のモロッコ代表に選出、今シーズンはインテルへの移籍が発表。彼のずば抜けた能力からすると、納得のニュースでした。

昨シーズン1年はコーチングスクールに通いながら、様々なチームに指導者として帯同、残留争いも経験し本当に大変な一年だったのですが、とても素晴らしい環境、経験を与えてもらって、沢山の人に感謝しています！