catch-img

久保建英 4試合連続マンオブザマッチの理由


目次[非表示]

  1. 1.はじめに
  2. 2.パフォーマンス分析
  3. 3.レアルソシエダvsラスパルマス(75分出場)
  4. 4.レアルソシエダvsグラナダ(79分出場)
  5. 5.まとめ

はじめに

週末のRマドリード戦でも決定機を数多く演出し、Rソシエダにとって絶対的な存在となっている久保建英選手。

開幕からの連続マンオブザマッチ記録は途絶えたものの、4戦連続マンオブザマッチは驚異的な記録といえるであろう。


今回の記事では、レアルソシエダvsラスパルマスとレアルソシエダvsグラナダの2試合での久保建英選手の分析を行い、なぜ4試合連続でマンオブザマッチに選ばれているのか、自分なりの考えを共有致します。


パフォーマンス分析


今回の分析はパフォーマンス分析になります。そこで久保選手のプレー1つ1つ(ボールに関わった時)に点数をつける事にしました。


採点の仕方:
ボール保持フェーズ
チャンスの演出(ゴールもしくはアシスト)2点
突破 1点
継続 0点
失う -1点
失う+相手のチャンス -2点
 
ボール非保持フェーズ
奪う+チャンス(ゴールもしくはアシスト)2点
奪う 1点
限定 0点
突破される -1点
突破される+相手のチャンス -2点 


レアルソシエダvsラスパルマス(75分出場)


ボール保持フェーズ
チャンスの演出(ゴールもしくはアシスト)3
突破 7
継続 11
失う 5
失う+相手のチャンス 0
合計 26

コメント


1試合を通してボールを5回しか失わない。特に相手のチャンスにつながるようなボールの失い方をしませんでした。
これはもしかするとボールを受ける位置が高い位置、そして得意なゾーンでボールを受けているからかもしれません。
ポジションを下げて、ビルドアップに関わったり、後ろ向きでボールをも貰ったりする数が減った印象。
チャンスに絡む回数や相手を突破する回数を見ても、マンオブザマッチに選出されるのも納得できます。


1分9秒、1分55秒のように高い位置、自分の得意なゾーンでボールを受け、仕掛ける。
 
ボール非保持フェーズ
奪う+チャンス(ゴールもしくはアシスト)0
奪う 4
限定 16
突破される 2
突破される+相手のチャンス 0
合計 22

コメント


1試合を通して、2回しか相手に突破を許していない。
積極的な守備ではないが、最低限の仕事をしているように感じます。
無理に奪いに行かず、サイドへのパスを誘発する事でチームに貢献しています。

レアルソシエダvsグラナダ(79分出場)


ボール保持フェーズ
チャンスの演出(ゴールもしくはアシスト)4
突破 6
継続 17
失う 4
失う+相手のチャンス 0
合計 31

コメント

3ゴールに絡む活躍。
79分間でボールを4回しか失わなかった。昔の久保選手と比べてこの部分は大きく変わったのではないでしょうか?
以前の久保選手は決定的な仕事をしようとしていた分、ボールを失う場面がどうしても目立っていた印象があります。
このデータを見てわかるようにシンプルに繋げるプレーが圧倒的に増えています。
試合を見ているともう少しアグレッシブにゴールに向かうシーンがあっても良いとも思いますが、この試合では6回の突破(パスやドリブル)と4回のチャンスの演出をしているので文句の言えない活躍だったのではないでしょうか。
ボールを失う回数が減ったお陰で、勝負する時に思い切って行ける事がゴールという結果につながっているのかもしれません。


技術的な事で取り上げたいことが1つあります。それはシュートの時にゴールをみていないことです。
久保選手のシュート時の特徴はシュートのタイミングの読みづらさだと考えています。
これは、ドリブルの最後のタッチからシュートまでを早くする事(+タッチや歩幅を変えない)とシュートを打つ瞬間に顔をあげない事から生まれていると考えています。


https://www.youtube.com/watch?v=1o_XdjYV1sk


ボール非保持フェーズ
奪う+チャンス(ゴールもしくはアシスト)0
奪う 0
限定 10
突破される 0
突破される+相手のチャンス 0
合計 10


コメント


守備面では目立った数字は残せていませんが、出場している間常に自分のタスクを全うしていたように感じます。
高い位置でプレスをする時は、相手右センターバックに対してロングボールを蹴らせる、もしくはサイドへのパスを誘発するようなプレスを行いチームに貢献。
個人的にはもう少し強くプレスする事でロングボールやサイドへのボールの質を下げる事が出来ればさらに良いと思いますが、突破されない事を優先していたように感じました。
一度プレスを剥がされた後やチームがボールを奪われた時のプレスバックが遅いように感じたが、もしかするとその次のカウンターの為にわざと残っていたのかもしれない。
結果、動画00:20〜の1点目のゴールに繋がった。


まとめ


ボール保持フェーズ
・ボールを失う回数の減少。
・高い位置や得意なゾーンでボールを受ける事による、チャンスに絡む回数の増加。
・ボールを失わないようなシンプルなプレーを増やす事で、自信をつけ落ち着いてプレー。

ボール非保持フェーズ
・積極的な守備では無いが、以下最低限の仕事をこなす。
1・突破されない
2・サイドへのパスやロングボールを誘発


 
昔の久保選手のプレーを分析したわけでは無いので比較は出来ませんが、この部分が昔のプレーと違う部分では無いかと考えます。
前に所属していたチームでは、前線やサイドにいても良い形でボールをもらう事が出来ず、ポジションを下げたり、苦しい状況でボールをもらったりする事が多かったと思います。
さらにボールを触る機会が少ないため、無理に難しいプレーを選択しボールを失う回数が増え、さらに相手のチャンスになってしまうような奪われ方をしていたと思います。
そのようなプレーをする事で焦り、次のプレーで難しい選択をしてボールを失うという悪循環にはまってしまう試合もあったかと思います。
今のチームでは、チームメイトが久保選手までボールを運ぶことが出来るので、久保選手の得意なプレーを行うことが出来ていると感じています。
これが久保選手の好調の理由の1つでは無いでしょうか。



石黒力蔵

石黒力蔵

愛知県出身、2013年高校卒業と共に、バルセロナへ指導者留学。 サッカー指導者ライセンスレベル2を取得後、バルセロナの大学でスポーツ科学を専攻。FCBarcelona Innovation hub プロサッカー指導者コース(大学院)受講中。 スペインの古豪CE JupiterとFF Badalonaにて全ての年代を第一監督、第二監督として指導。現在はEC Granollers にてユース年代のパフォーマンス向上部門の責任者を務めつつ、ユースAチームの第二監督兼フィジカルコーチとして活躍している。 さらにスペイン人指導者と共に、UNIQとしてバルセロナと日本で心理学を主軸としたサッカースクールを展開中。 Instagram→@riki_soccer_bcn

 オススメ記事

 
月間の人気記事


タグ一覧


サッカー教本
 無料ダウンロード