【連載:スペインの街クラブでメソッド部門責任者として活動するサッカー監督の仕事紹介】 9月のコンセプト
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- 1.スペイン街クラブのメソッド部門責任者
- 2. 9月のコンセプト
- 2.1.タッチ
- 2.2.プレス、プレッシャー
- 2.3.選手の役割
- 3.トレーニング紹介
- 4.最後に
スペイン街クラブのメソッド部門責任者
現在私はCD Pomarというバルセロナの街クラブでメソッド部門責任者として働いています。
メソッド部門責任者として全てのチームに、毎月私が決めた2〜3つのコンセプトをトレーニングするように要求しています。
9月のコンセプトは、
・タッチ
・プレス
・選手の役割
でした。
この3つのコンセプトをトレーニングする為に、全てのチームが私が決めた1つのトレーニングを毎週必ず行っています。
今回はそのトレーニングとコンセプトについて説明していきます。
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9月のコンセプト
タッチ
タッチとは?
・プレスをかけた時に必ず相手選手にタッチする。(言葉:タッチ、さわれ)
このコンセプトによって起こる事
・トレーニングの強度の向上
・プレスの時に相手選手にタッチする事を強制する事で、プレスの強度が向上。(速く、長い距離を走る必要性)
・フィジカルコンタクト
・プレスを受ける側はタッチされたく無い為、タッチされる前にパスをする意識がつく=ボール回しのリズムが向上。
・腕を使う事に慣れる。さらにパス出した後に走ろうとする選手をブロックする癖がつく=ワンツーの対処。
・足を出さない癖がつく。
試合中のパフォーマンス向上
・ボール保持者を不快な状態へ。(ボールを奪うことが目的ではない)
・タッチする事でバランスを崩し、パスミスを誘発。
・相手選手をタッチする事で、相手を臆病にさせる、もしくはイライラさせる事で試合に集中させない。(メンタル面の勝利)
・ワンツーで突破されない。
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プレス、プレッシャー
プレス、プレッシャーとは?
・ボールを奪われた後にプレスをかける。(言葉:プレス、プレッシャー)
このコンセプトによって起こる事
・トレーニングの強度の向上
・奪われた後の素早いプレス。
・フィジカルコンタクト
・フィジカルコンタクトに慣れる。
・集中力の向上。
・ボールが奪われた瞬間にすぐにプレスに行けるように準備をする必要がある。(ボールの循環の流れを読み、奪われる瞬間を予測。)
・自信の向上
・ボールを奪われてもすぐに取り返せば、また自分のボールに出来る。(ボールを奪われる事への恐怖がなくなる)
試合中のパフォーマンス向上
・奪われた後にすぐに奪い返す=ポゼッション時間が増える。
・奪われた後にアグレッシブにすぐに奪い返す事で、相手を臆病にさせる、もしくはイライラさせる事で試合に集中させない。(メンタル面の勝利)
選手の役割
選手の役割とは?
・ボールが動く度に、自分がボール保持者なのか、近い選手なのか、遠い選手なのか認識する。(言葉:自分の役割は?近い選手?遠い選手?)
近い選手=ボール保持者に対して、パスラインを持っている。
遠い選手=ボール保持者に対して、パスラインを持っていない。
このコンセプトによって起こる事
・集中力の向上。
・常に自分がどの役割なのか認識し続ける必要性。
・予測力の向上。
・遠い選手はボールの流れを読み、どの選手から自分にパスが来るのか予測することが必要。
・自信の向上。
・遠い選手がボール保持者ではなく、近い選手とパスラインを持っておくことで、近い選手がボールを受けた時常にパスラインが存在する。
試合中のパフォーマンス向上
・集中力の向上
・パスまわしのリズムの向上
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トレーニング紹介
・2つのゾーンがあるロンド。
・赤の守備選手は、ボールのあるゾーンに2人、ボールの無いゾーンに1人、もしくは自由にプレスが出来る。
・青の選手は好きなタイミングで、別のゾーンにボールを運ぶことが出来る。
その場合図の上にいる選手と下にいる選手は、別のボールのあるゾーンへ移動。
・人数やスペースはレベルによって変更可能。
ルール
・守備選手はボールを奪った後、ドリブルでロンドの外に出る。青の選手は奪い返す事が出来る。ロンドの外にドリブルで出ることができた場合、ボールを奪われた選手とドリブルで出た選手は交代 。(プレス、プレッシャーの状況を作るため)
・守備選手がタッチをして、パスミスを誘発した場合、指導者はご褒美として攻守の交代させる事が出来る。(例えば、長く守備をしている選手へ)
・青の選手は自分が遠い選手の時、手をあげる。もし指導者が手を上げていない遠い選手に気づいた場合、攻守の交代をさせる事が出来る。
最後に
今回紹介したコンセプトを私は「習慣」と呼んでいます。
習慣とはどのスタイルのチームでも、習慣化させるべきだと考えているコンセプトで、どのトレーニング(ボールを使った、相手のいるトレーニング)でも常に選手が行うべきコンセプトだと思っています。
毎月、この「習慣」のコンセプトともう1つの「結果につながる」コンセプトを2〜3つクラブの全チームに要求していきます。
今回紹介したコンセプトはチームのトレーニング強度を上げる役割として、今までトレーニングした全てのチームで機能しました。
もしトレーニング強度を上げたいと思っているのであれば、是非一度お試しください。